ダメージの要因ってなんだろう?
➀シャンプーによるダメージ
②紫外線によるダメージ
➂ヘアカラーによるダメージ
➃パーマによるダメージ
⑤ヘアアイロンによるダメージ
➀シャンプーによるダメージ
髪は乾いたときは硬くて物理的に非常に丈夫です。しかし水分を含むと膨潤し軟化します。軟化した状態の髪と髪がこすれるとキューティクルが剥がれ落ちます。キューティクルが剥がれ落ちると髪の内部のケラチンやセラミドが流失してしまいます。
シャンプーで髪にダメージを与えないためには、良く泡立てて頭皮を指の腹で優しくマッサージするようにシャンプーします。泡が緩衝剤となり髪と髪がこすれるのを防ぎます。
頭皮の汚れを落とせば髪の汚れは泡を伸ばすだけで十分に落ちます。
シャンプーした後はたっぷりのお湯でシャンプー剤が髪や頭皮に残らないようにしっかりすすぎます。すすぎの時も髪をこすらないでください。
②紫外線によるダメージ
紫外線はUVA(波長280~315nm)とUVB(波長315~400nm)の2種類が地表まで届きます。
UVは髪の内部まで浸透しケラチンやセラミド・18-MEAを破壊します。
日傘や帽子などで髪にUVが当たらないように注意が必要です。
➂ヘアカラーによるダメージ
アルカリが髪を膨潤させ、有効成分である酸化染料と過酸化水素が髪の中に浸透します。過酸化水素は、メラニンを脱色するとともに、髪に浸透した染料を酸化します。染料は酸化されると結合して発色します。ヘアカラーには髪の色素であるメラニンを酸化して脱色する働きと髪を染める働きの二つがあり、黒髪にヘアカラー(おしゃれ染め)ができるのもそのためです。
過酸化水素はメラニン色素だけではなくケラチンやセラミドなども破壊します。
この原理からヘアカラーは髪に大きなダメージを与えます。
➃パーマによるダメージ
パーマはアルカリ性の1剤(還元剤)を塗布し還元します。ワインディンもしくはストレートにして酸性の2剤(酸化剤)を塗布し酸化します。
還元時に硫黄分子のS-S結合を切るのですがアルカリ性で髪を膨潤させるためS-S結合以外の毛髪内部のケラチンやセラミドが破壊され流失します。
この原理からパーマは髪に大きなダメージを与えます。
⑤ヘアアイロンによるダメージ
ヘアアイロンは髪に熱でダメージを与えます。ケラチンはタンパク質です。セラミドや18-MEAは脂質です。どちらも必要以上に熱を与えると熱変性により異なる物質に変わります。
卵(タンパク質)は熱を加えると熱変性でゆで卵(タンパク質)になります!
ゆで卵は冷やしても生卵には戻りません!
熱変性で変質したケラチン(タンパク質)やセラミド(脂質)は元に戻りません。
ダメージの補修を目的に開発されたのがマーベリックヘアケア製品です。
髪の構造について
髪はキューティクル、コルテックス、メデュラでできています。
髪は大きく分けると3つの部分から出来ています。
一番外側がキューティクル、中間部がコルテックス、中心部がメデュラです。
髪の構成成分は、大部分がタンパク質であり、残りは脂質、メラニン色素などです。
毛髪のタンパク質は、シスチンというアミノ酸が多いのが特徴です。
詳細は「髪を構成する成分比率」をご覧ください。
キューティクル
半透明のうろこ状のものが平たく4~10枚重なって、髪の内部組織を守る働きをしています。キューティクルは、濡れていると柔らかいため、
特にこすれることによって、欠けたりはがれたりして、毛先ほどキューティクル枚数が少なくなっています。
キューティクル1枚も多層構造です(図参照)。
表面から順にエピキューティクル(β層+A層)、エキソキューティクル、エンドキューティクルの構造です。
エンドキューティクルは柔らかく水で膨潤しやすい性質で、水、ヘアカラー、パーマ剤などの通り道になります。
キューティクルとキューティクルの境界には細胞膜複合体(CMC)があり、そこに脂質成分MEA(18-メチルエイコサン酸)が存在します。健常な毛髪では毛髪表面を、このMEAがおおっています。
MEAが髪全体に占める割合はわずか0.1%未満ですが、ミンクの毛にもあり、毛髪表面の摩擦を低減してまとまりをよくする働きがあり、髪のツヤや手触りを左右しています。ただし紫外線やヘアカラー(ブリーチ)で失われやすく、1回のヘアカラー処理で80%が失われてしまいます。しかも、MEAはトリートメントなどに単純に配合するだけでは、毛髪表面に定着させることはできません。
コルテックス
髪の85~90%を占めるコルテックスは、繊維状の束と
それを取り巻く構造でできています。
この部分のタンパク質・脂質の構造や水分量が、
髪の柔軟性や太さに影響します。また、メラニン色素は
主にこの部分に含まれていて、その種類と量によって、
髪の色が決まります。
メデュラ
髪の中心にあるメデュラは、やわらかいタンパク質による網目状あるいは多孔質構造で、ダメージを受けると
多孔質構造の割合が増加します。
働きはよくわかっていませんが、膨潤や収縮する際の緩衝スペースや、大きな空洞を有する動物の毛では断熱効果に役立っていると考えられています。
髪を構成する成分比率
髪は水分を除くとタンパク質や脂質からできています。
タンパク質はほとんどがケラチンです。
髪や爪、肌の角質は、硬い性質のケラチンタンパク。
脂質はセラミドと18-MEA(18-メチルエイコサン酸)です。
髪は約90%がタンパク質と脂質でできています。
真皮や内臓などは、柔らかく弾力があるコラーゲンやエラスチンでできていますが、毛髪や肌の角質層にコラーゲンやエラスチンはありません。